ハイテク産業政令指定都市に指定されている大黒市であるが、その行政機構も相当に先駆的である。
企業との半官半民の行政機構となっており、市役所や市立病院なども企業的経営を取り入れている。この手法は教育行政にも取り入れられており、第一と第三小学校が再編成された大黒小学校は、メガマス社の系列会社が運営に関わっており、高層ビルの最上階に作られている。
生活に密着した電脳メガネ
大黒市においては電脳メガネはすでに日常生活では必需品となっているが、これは20世紀末に登場した携帯電話の登場に匹敵するほど、生活・社会環境に大きな影響を与えている。
電脳メガネを利用した電脳医療については、メガマス社の企業病院である大黒市立病院で既に実用化されており、これは大黒市がメガマス社の本社の所在地である事に多いに関係している。
企業病院というものは古くからあるが、行政機構を大幅に企業との共同作業で運営しているのはまだ2例目である。
効率を優先させる企業経営的手法は、確かに無駄のない効率化をもたらすであろうが、行政という公的サービスにいったいどこまで企業的(効率的)手法を求めればよいのであろうか?
特に大黒市は世界最大の電脳機器メーカーであるメガマス社の本社がある。その圧倒的企業力の前で、はたして本当に純粋な行政サービスが行き届くのであろうか?企業の利益誘導でないサービスという事が本当に守られるのであろうか?
一地方都市といえ、住民は企業の従業員ではないし、企業の壮大な消費者モニターでもない。メガマス社がその立場を利用し、他の電脳機器メーカに先んじるために行う実験的な商品のモニターやサービスなどに安全性に問題はないのであろうか?
4年前の事件など、電脳メガネと電脳空間については、未だに企業秘密のベールに包まれた事件、事故が発生している事は間違いない。
この新しい行政手法は注意深く見守らなければならない実験的手法といえるだろう。









