ダイチが神社の古い空間から知らぬ間に自身の電脳皮膚に感染したヒゲ型イリーガルは、それまでのイリーガルと異なり、成長し進化する事を示した新しいタイプのイリーガルである。
一般に生物は個体の大きさが小さいほど世代交代が早く、進化もそれに伴いスピードアップするが、このヒゲ型イリーガルはまさにその典型である。
原始的状態から通常空間を移動するまでに進化
このヒゲ型イリーガルは金魚型イリーガルと同様に自分の周囲に古い空間を作り出す事ができるため、古い空間から切り離された新しい空間内でも生存できる。
このため、ダイチやクラスメイトのヤサコの電脳皮膚の上でも成長する事ができた訳だが、驚くべきはやはりその進化の過程であろう。
メガばあの作った翻訳機により進化の状態を見守る事ができた訳であるが、この翻訳機が双方向の通信機能を持っていたために、ヒゲ型イリーガルの進化の方向をある程度誘導してしまったからである。
ヤサコの何気ない干渉から、ヒゲ型イリーガルは農耕生活から核戦争、はては他の人間の電脳皮膚に対する空間戦争のレベルまであっという間に進化を遂げてしまったのである。
このような事象はロバート・L・フォワード氏の「竜の卵」のチーラ人に起きた事と同様に思われる。また、20世紀後半にブームとなった神様ゲーム「ポピュラス」に通じるところがあるが、ヒゲ型イリーガルはなんとか文明的に成熟し破滅を免れたようである。
人間もこれらの電脳生物に学ぶべきところが多い。









